食べ残しゼロ推進店舗

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認定店に聞きました!Vol.8

下京区/宿泊施設

ホテル日航プリンセス京都

京都市下京区烏丸高辻東入高橋町630
TEL:075(342)2111

店舗紹介

「ホテル日航プリンセス京都」は2004年にリブランドしたホテル。和食、中華、フレンチ、鉄板焼きなどが楽しめる館内のレストランやバーが人気です。今回お話を聞いたのは、総支配人の河戸省三さん。

こちらのホテルでは国内外のお客さんを迎えおもてなしするだけでなく、地域貢献活動も積極的に行っています。お客さんに気持ちよく帰ってもらい、地域住民のためにもと、開業時からホテル周辺の清掃を毎日実施。京都市のまち美化運動へも年2回参加しています。これらの活動が京都市市民憲章を率先垂範したとして、表彰も受けています。

生ゴミ処理機とバイオガス発電で〝生ゴミゼロ〟に

清掃活動をきっかけに、もっとゴミを減らしていきたいという思いが強くなり、2017年に生ゴミ処理機を導入。CO2が発生しない地球環境に配慮したもので、微生物により生ゴミが分解され、水となり排出される仕組みだそう。

結果、館内から出る廃棄物としていた生ゴミが73.6%も削減。多いときで1日に1000食の食事を提供するホテルですから、相当な削減量です。処理機の購入費と生ゴミの廃棄処理に必要な費用を比較すると、5年ほどで回収できるそうです。

各部門の担当者が自ら、責任を持って生ゴミを投入します。 画像提供:ホテル日航プリンセス京都

こちらの生ゴミ処理機では、魚の骨やパイナップルの芯など、硬いものは分解できません。設置当初はそれらを焼却処理していましたが、2018年より三重県にあるバイオガス発電施設で再利用が可能に。「これによって焼却処分される生ゴミがゼロになったんですよ」と、スタッフの方に教えていただきました。

バイオガス発電に使われた後の残りカスは現地の有機米の肥料として使われ、収穫されたお米がホテルの社員食堂で出されています。社員の方からはおいしいと好評なのだとか。再利用だけでなく、食の循環も生まれているんですね。

調理法で工夫したり、お客さんにも協力を促す

ゴミを減らす工夫も多方面で行われています。仕入れはなるべく少なく在庫を持たず、調理場では端材も無駄なく使います。出汁を取った昆布は細かく刻み佃煮にしたり、大根の皮は千切大根に使っているとか。

社員食堂では、食べ残しを防ぐよう小盛りで提供。 画像提供:ホテル日航プリンセス京都

また、「クックチル」という調理法を用い、加熱調理した料理を素早く真空低温保存します。そうすることで、5日間は無菌状態で保存が可能に。この方法だと早く提供でき無駄が減るだけでなく、味の浸透がよくなるので、通常より塩分を控えめにしたり薄味調理もできるそうです。

宴会場では幹事の方にお願いし、お開きの30分前に食べ残ししないようアナウンスをしてもらっています。声かけをはじめてから、食べ残しの量が目で見てわかるほど減っているそう。

地域の団体や小学校と食育イベントも開催

「地域に根ざすホテル」として、地域のエコ推進委員会と一緒に、環境教育にも取り組んでいます。2022年1月には洛央小学校で、食品ロスの問題を学ぶ親子料理教室を初開催。シェフから食品ロスの現状が説明されたあと、油店から出るごまの絞りかすと、豆腐屋から出るおからとで、パンダもち(蒸し物)と甘酢団子を作り食べたそうです。

親子料理教室の様子 画像提供:京都市

参加者からは「残さず食べるようにしてゴミを減らしたい」「お父さんにも教えてあげたい」といった感想があったとか。当日関わったスタッフの方は「子どもたちのうれしそうな顔が心に残っている」「今後も定期的に開催したい」と話してくださいました。

ホテル一丸となってゴミを削減

今回取材して、微生物が生ゴミを水に処理する技術と、生ゴミを削減した取り組みに驚きました。

多くのお客さんが行き交うホテルで実現可能なのだから、自宅でもできることもあるはず。ゴミを減らすレシピなどはすぐ取り組めます。私もできる範囲からチャレンジしていきたいと思いました。

また、ホテル日航プリンセス京都さんは「食べ残しゼロ推進店舗」認定だけでなく「2R及び分別・リサイクル活動優良事業所」にも認定され、「京都環境賞 企業活動賞」を受賞しています。 ゴミの分別の徹底、地域の清掃活動や生ゴミの削減、環境教育などホテルが一丸となって取り組んでいる様子がよくわかりました。

(取材者:「LIVING kyoto WEB」WEBフレンド ちむすと)

これからも食べ残しゼロを目指してがんばってください!
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