認定店に聞きました!Vol.13
下京区/その他
京つけもの西利 本店
京都市下京区堀川通七条上ル西本願寺前
TEL:075(361)8181
営業時間等はHPから確認を
店舗紹介
京都駅からも近い西本願寺前の「京つけもの西利 本店」。こちらでは、「旬 おいしく、やさしく。」をモットーに、京漬物の伝統を受け継ぎつつ、現代のライフスタイルに合わせた、健康に配慮した漬物や発酵食品が販売されています。
代表的な千枚漬をはじめ、「京のあっさり漬」シリーズは、観光土産としてだけでなく、地元の方からも人気なのだそう。
同社は「京つけもの西利」のほかにも、「酵房西利」「発酵生活」「AMACO(あまこう)」というブランドを展開。本店には、これらの商品が多数そろっています。
広報の長谷川さんにお話をうかがいました。
京都のお土産物の定番、お漬物
広報の長谷川さん
売れ残り廃棄を削減する値引き販売コーナー
本店1階には毎日の食卓を彩る商品が並んでいます。そんな店舗の一角には、食べ残しゼロ推進のため、賞味期限間近の商品を販売するコーナーが作られていました。
このコーナーでは、賞味期限まで数日となった商品が30%引き価格で販売されているので、自宅用としてすぐに消費するご近所の方などがよく利用されているとのこと。
我が家では、1パックのお漬物をサラダ感覚で食べてしまうこともあるので、「食品ロスに貢献する」という感覚よりも、その日食べたい商品がこのコーナーで調達できてちょっぴりラッキー!と気軽に購入できそうで良いですね。
「京都市食べ残しゼロ推進店舗」のマークが目印
初めて見る発酵食品や調味料なども並んでいたので、少しお得に購入して味見をするのもいいなと思いました。自宅用に買っておいしさを知ったうえで贈り物にするなど、このコーナーを商品購入のきっかけにしてもいいかもしれませんね。
「食を大切に」という、お店オリジナルのシールが貼られていて、購入するたびに、食に対する意識を再認識する機会にもなりそうです。
漬物を食べきってもらう工夫
漬物というと「野菜が丸ごと入ったパック」というイメージを持っていましたが、食べきりサイズの商品も初めて見せていただきました。種類も豊富なので、家族間でも各自が好きなものを選べ、一回で食べきれる分量なので無駄が出ないですね。
1食分がパックになった「乳酸菌ラブレ20g」シリーズの漬物
さらに2階には、同社の商品を使ったレシピを自由に持ち帰ることができるコーナーもありました。万が一商品をそのままで食べきれなくても、他のメニューに活用することで、最後までおいしく食べることができそうです。
循環型農業の取り組みは20年も前から
今回の取材で驚いたのは、同社では既に20年も前から食品ロス削減の取り組みをされていたということです。
漬物の製造工程で出た野菜くずは、自社施設で堆肥に生まれ変わって野菜作りに使用されるため、廃棄がほぼゼロになるのだそう。しかも「堆肥」というのは土壌を豊かにするので、おいしい野菜も育つ一石二鳥のシステムと言えそうです。
堆肥は契約農家さんや直営農場で使用され「野菜から漬物を作り、出た廃棄物は堆肥となり、原料となる野菜の畑作りに再利用」と、20年もの間この循環型農業が継続され廃棄物ゼロに。これが持続可能な漬物づくりなのですね。
堆肥化には自然発酵の力を利用。廃棄ゼロの取り組みにも、漬物という発酵食品を扱う老舗ならではの方法が生きていて、伝統や技術の重みを感じました。また、食品ロス削減のみならず、平成3年からは千枚漬をはじめ主力商品のパッケージを、省資源の再生紙で作った「西利エコケース」に切り替える取り組みも行われているとか。
時代と共に私たちの食生活も多様化し、食や健康に対する姿勢も変化しています。老舗の伝統を継承しつつも、そんな時代の流れに寄り添う創意工夫をされている姿勢に感動しました。
いち消費者の私たちも努力を忘れてはならないなと、身の引き締まる思いがするのでした。
(取材者:「LIVING kyoto WEB」WEBフレンド 大好チヨ子)