食べ残しゼロ推進店舗

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認定店に聞きました!Vol.9

中京区/すし

京・寿司 おおきに

京都市中京区御前通り松原下ル東側
TEL:075(323)1172
営業時間等はHPから確認を

店舗紹介

「京・寿司 おおきに」は、2000年7月にオープン。京都市立病院の東側にあります。「自然の産物を優しく大切に」をスローガンに、天然魚や有機野菜など、体によい食材を使っています。昼はお得な価格でにぎり寿司が、夜は寿司とともに豊富な種類の一品料理が味わえます。

大将の村田勉さんは、お客さんを第一に考え、心地良い空間や雰囲気を大事にしています。

『おおきに』では定番の握りのほかに「煮穴子」や「サンディエゴ」、「京野菜漬物寿司」など独創的なお寿司も人気。『おおきに』にしかないものを食べてほしいという、大将の思いがあふれた、独創性に富んだ構成になっています。

鬼皮はまかないに、鮎の塩焼きは頭から食べられるように

村田さんは調理の際、生ゴミを減らす工夫をしています。野菜は、鬼皮と呼ばれる外側の厚く堅い皮や、飾り切りで残った部分を捨てず、まかない料理に使います。

鬼皮は刻んで炒め物にしたり、煮物やお汁の具に使われます。

魚も捨てるところは硬い中骨ぐらいで、尻尾や関節部分もまかないに。「実はおいしいところなんです」と村田さんは言います。他店からやってきた見習い料理人が驚くほど、生ゴミが出ないのだとか。

お客さんが食べきれなかったときは、可能な限り持ち帰ってもらいます。「食べ残すのはしのびない。家で食べられるなら」と、皆さん喜んで持ち帰るそうです。

生ゴミを減らすことと平行して、必要以上に作らないこと、食べやすいように小さく盛り付けたり隠し包丁を入れる、鮎の塩焼きは頭ごと食べられるように焼くなど工夫しています。そうすることで食べ残しが減り、結果食品ロス削減につながっているそうです。

食品ロスの取り組みは、食育指導員が転機だった

村田さんは2015年から京都市食育指導員としても活動しています。年に数回、地域団体や学校に出向いて講習会を開き、サバを1尾、無駄なく使う調理法などを教えています。村田さんの講習会は毎回好評で、過去には100人近い参加者が集まったことも。

食育指導の様子 画像提供:京・寿司 おおきに

今でこそ、食品ロスへの取り組みが定着している『おおきに』ですが、開業当時はそうではありませんでした。食育指導員になったことをきっかけに、活動を通して「生命の根源である食物はみな命。ゴミをなくすということは、命を無駄にしないということだ」という思いを強くしていったそうです。

お客さんとのコミュニケーションを通じて食品ロスを減らす

海外からのお客さんとも積極的にコミュニケーション(令和元年 3月撮影) 画像提供:京・寿司 おおきに

食品ロスへの取り組みは、お客さんとのコミュニケーションづくりにも役立っています。お客さんが食べ残しているとき、村田さんは「お気に召しませんでしたか?」と声をかけるそう。例えば食べ残しが鯛のあら炊きなら「目の周りはコラーゲンが豊富ですし、カマにも身があるんですよ」といったふうに、おいしく食べられることを説明します。すると「ここも食べられるんやな」と箸を進め、完食するお客さんが多いそうです。

食べ残し防止に積極的な村田さんならではのトーク術で、お客さんは食べ残しが減り新たな知識が増えて、一石二鳥だと思いました。

「食材を最後まで使い切ることは、我々料理人の使命」と語る村田さん。今後は「食品ロスや食べ残しを減らすことで、心と体の健康が保たれることを、国内だけでなく世界に出て伝えたい。食を通して、人が幸せになるものを作っていきたい」とのこと。

村田さんのような料理人が、もっと増えてほしいと願います。そして私も、必要量だけ買って調理し食べ残さないように。今まで捨てていた部分も調理するよう、工夫していきたいと思いました。

(取材者:「LIVING kyoto WEB」WEBフレンド ちむすと)

これからも食べ残しゼロを目指してがんばってください!
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