府内民間企業初!社内でのフードドライブの実施

株式会社島津製作所×認定NPO法人セカンドハーベスト京都

概要

「株式会社島津製作所」と「認定NPO法人セカンドハーベスト京都」が連携した取組の御紹介です。

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前例なし!0からの社内フードドライブの実施

「困っている方々のために、何か、私たちにできることはないのだろうか。」

きっかけは、新型コロナウイルス感染症により日本に緊急事態宣言が出された状況の中での、担当者のそんな想いからでした。

すぐに社内で相談し、それなら、と、従前から繋がりのあったフードバンク団体「セカンドハーベスト京都」に相談することに。そこで生まれたアイデアが、家庭等で不要になった食品を集めて、福祉施設や子ども食堂等に寄付をする「フードドライブ」を社内で開始することでした。

前例のない取組に、社内での合意形成に時間が掛かるのでは…。そんな不安もあったそうです。しかし不安とは裏腹に、過去にセカンドハーベスト京都に備蓄物品の寄付を行った経緯もあったことから、スムーズに社内合意がとれ、2020年6月、社内でフードドライブを開始することになりました。

総務部内に回収ボックスとのぼり旗、簡単な受付簿を設置して、寄付者自身で日付・寄付物品・所属氏名を記入して回収ボックスに入れていただくことで、担当者の負担を減らしながら、常時受付を行っています。月に2回程度、集まった食品と、定期的に入れ替えが必要な防災備蓄品(または食料品)を、引き渡しています。

継続のために、忘れたくないのは「寄付者への感謝」の気持ち

社内への周知方法は、定期的に社内掲示板において実施案内を掲載するとともに、担当者の社内メールのメールアドレス署名に、「フードドライブ実施中」の文字を記載し、日常的にフードドライブを意識してもらえるような工夫を施しています。

寄付物品は缶詰、御菓子、レトルト食品が多くを占めますが、時には、わざわざお米を持ってきてくださる方もいるそうです。忘れてはいけないのは、寄付者への「感謝の気持ち」、「フィードバック」だと担当者はおっしゃいます。

回収ボックスによる常時受付けではありますが、寄付に来られた方には、気が付いた担当者が、お礼の声掛けをすることを忘れません。

また、どんな食品が寄付されたか、どれだけの寄付が集まったかについては、寄付のたびに写真をとって、社内掲示板に掲載しており、たくさんの寄付が集まったことが目で見て分かるようになっています。

寄付者への感謝を忘れず、フィードバックをしっかり行うことが、取組継続の秘訣となっています。

寄付物品の行方にも思いを馳せる

「セカンドハーベスト京都」に寄付された食品は、主に3つの事業に活用されています。

①フードバンク事業:生活に困っている方を支えるフードパントリー団体や福祉施設、こども食堂などの団体や施設に提供しています。

②食のセーフティーネット事業:生活に困窮された方が、公的支援を受けるまでの期間、食の面でお支えするもので、世帯状況に応じたものをピックアップし提供しています。

③こども支援プロジェクト事業:夏休みなどの長期休暇、低所得の子育て世帯の方を食の面で支えるために、夏休みや冬休みに食品パッケージを届けています。

活動を行っていて嬉しいのは、食品を受け取った方からのお礼の言葉だそうで、「お腹が減ってつらい」という子どもを1人でも減らしたいという想いで活動を継続されています。

そんな中、島津製作所以外での話ではありますが、自分が食べないからといって、開封済み、賞味期限切れのものなどを持って来られる方がおられるようで、使えないものは検品の上で排除されているそうです。フードドライブは「チャリティーのため」ということを理解いただき、寄付された食品を受け取る方々の様子、たとえば喜んでくれるこどもたちの顔を思い浮かべてほしいというのが、この活動の本当の想いのようです。

島津製作所でも、「子どもへの支援」という切り口で協力を呼びかけると、賛同を得やすいという話もあり、食品ロス削減の観点だけでなく、その先の食品の行方まで、想いを馳せることも重要な観点ですね。