ビュッフェの残りをお弁当にしてアプリで販売

ホテルグレイスリー京都三条 ×(株)コークッキング(TABETE)

概要

「ホテルグレイスリー京都三条」と「(株)コークッキング(TABETE)」が連携した取組のご紹介です。

ビュッフェ形式でも食品ロスが出ないよう工夫

京都の繁華街の中心に位置する「ホテルグレイスリー京都三条」。レストラン「ボンサルーテ」の朝食ビュッフェは、京都のおばんざいや鰻料理が、お客様に大人気です。

このホテルは「京都市食べ残しゼロ推進店舗」の認定を受けており、ビュッフェでも食品ロスを極力減らすため、宿泊人数、朝食券発券枚数、外国人宿泊客数等から料理の提供量を精緻に予測。朝食時間の終了が近付くと、大皿から小皿に移して、見栄えを保ちながら提供量を減らすなど工夫を凝らしています。

それでもビュッフェという形態上、どうしても最後にはわずかながら料理が残ってしまいます。それをかつては廃棄していましたが、手を掛けて作った料理を最後まで食べていただきたいという思いと、食品ロス削減やSDGsに対する企業としての責任から、フードシェアリングサービス「TABETE」の導入に至りました。

現在は、朝食ビュッフェの料理の残りを容器に詰め合わせて、弁当としてTABETEに出品。残り具合に応じて月に10回程度出品していますが、すべて完売しているそうです。

アプリを通じた販売でコスト面や誘客面でもメリット

TABETEは、店舗が売れ残りそうなパン、菓子、料理などを割安な価格でアプリに出品し、アプリユーザーが購入、決済した上で、店舗に取りに行くサービス。食品ロスの削減だけでなく、売上げアップ、廃棄コストの削減、環境に配慮した事業者としてのイメージアップなど多面的な効果が期待できます。

アプリを通じて販売することで、店頭での値引き販売におけるブランドイメージの低下、値引き待ちの発生といった課題をクリア。TABETEで購入したことをきっかけに、そのお店の味や雰囲気が気に入って、来店して利用するようになるお客さんもおられるそうです。

連携したキャンペーンを展開

このホテルを運営する藤田観光㈱とTABETEを運営する㈱コークッキングは、日本コカ・コーラ㈱との3者連携によるキャンペーンを展開。2023年3月の1ケ月間、TABETEで購入してホテルに受取りに来られた方に、植物性ミルクの商品をプレゼントし、食品ロスの削減と環境負荷の低い飲料をPRしました。

京都市内では、TABETEの登録者は約9千人いるのに対して、登録店舗はまだ30店舗(2023年3月時点)。需要に対して供給(出品)する側が不足している状況であり、もっと多くの店舗に利用してほしいとのことです。

このホテルでは、TABETEを導入したことにより、廃棄が減っただけでなく、従業員の食品ロスに対する意識が向上。今後も、予測精度を上げて、できるだけ余らせないことを最優先にしながら、TABETEも活用して、食品ロスの一層の削減に取り組んでいくとのことです。

                                    (2023年3月取材)